中学受験の夏期講習の宿題が終わらないとき|灘・東大卒プロ家庭教師が考える優先順位
夏休みになると、毎年のように保護者から相談を受けます。
「夏期講習の宿題が終わりません。」
「全部やらせた方がいいのでしょうか。」
20年以上にわたり中学受験生を指導してきた経験から、時間が足りないときは算数の図形・速さを最優先にするよう勧めます。
理科なら力学・化学の計算問題です。
他の宿題に使う時間を減らしてでも、まずはこれらの分野に時間を使います。
私の経験では、夏休みに算数の図形・速さや、理科の力学・化学の計算問題に十分な時間を使ったことが、秋以降の伸びにつながったケースが多くありました。
なぜ図形・速さを優先するのか
図形や速さは、公式や解法を覚えるだけでは対応できません。
問題文の条件を読み取り、どの考え方を使うかを判断する力が必要です。そのため、考え方を理解し、自力で解けるようになるまでに時間がかかります。
秋以降は、通常授業や宿題に加えて、過去問演習、志望校別特訓、模試が重なります。
そのため、一つの単元だけを取り出し、時間をかけて理解し直すことは、夏休みよりも難しくなります。
だから、夏休みは図形・速さに多くの時間を使うことを勧めます。
理科では力学・化学の計算問題を優先する
理科でも考え方は同じです。
時間が足りない場合は、力学と化学の計算問題を優先するように勧めます。
これらの問題では、問題文の条件を読み取り、図や式を使って考える力が必要です。知識を覚えるだけでは、自力で解けるようになりません。
一方、理科の知識分野は、秋以降に復習を重ねることで得点を伸ばせます。
そのため、限られた時間の中では、力学・化学の計算問題に多くの時間を使うことを勧めます。
宿題が終わらないときの時間配分
例えば、その日の宿題が次の内容で、それぞれ取り組むのに1時間ほどかかる量だったとします。
- 図形
- 化学の計算問題
- 理科の知識分野
すべてに取り組むには3時間ほど必要ですが、その日に宿題へ使える時間は2時間しかありません。
この場合、三つの分野に40分ずつ使うことは勧めません。
図形には、宿題をすべて終えるための1時間を確保します。一方、化学の計算問題は発展問題を後回しにし、理科の知識分野は基本事項に絞ります。
単元ごとに優先順位と目標を変え、2時間を次のように使います。
- 図形:1時間
- 化学の計算問題:40分
- 理科の知識分野:20分
図形には1時間を使い、宿題をすべて終わらせます。問題を進めるだけでなく、考え方を理解し、自力で解ける問題を増やすことを目指します。
化学の計算問題には40分を使い、発展問題は後回しにします。基本問題と標準問題に取り組み、問題文の条件を読み取って、自分で式を立てられるようにします。
理科の知識分野には20分を使い、この日は基本事項だけを確認します。細かな知識まですべて覚えようとはせず、残りは秋以降の復習に回します。
三つの分野を、すべて同じ水準まで進める必要はありません。
図形は宿題をすべて終える、化学の計算問題は発展問題以外に取り組む、理科の知識分野は基本事項に絞るというように、単元ごとに目標を変えることが大切です。
まとめ
夏休みは、限られた時間をどの単元に使うかで、秋以降の学習の進み方が変わります。
宿題をすべて均等に進めるのではなく、理解に時間がかかる単元へ、優先的に時間を使ってください。
時間が足りないなら、算数は図形・速さ、理科は力学・化学の計算問題を優先することを勧めます。
夏休み全体の勉強方針については、お子さんの学力や塾の宿題量に応じて、3つのタイプに分けて説明しています。
宿題の中で取り組む問題を選んでも、基幹講座や夏期講習の復習に必要な時間を確保できない場合は、受講する講座自体を見直す必要があります。
→ 小6で塾の宿題が終わらないとき|宿題の選び方と講座の見直し
ほかの中学受験に関する悩みについては、保護者向けの案内ページをご覧ください。
