長い時間をかけて変わっていったY君のこと

長い時間をかけて変わっていったY君のこと

これまで指導してきた中には、順調に成績を伸ばして志望校に合格していった生徒もいれば、途中で大きくつまずき、長い時間をかけて少しずつ進んでいった生徒もいます。
今回は、長く関わることになったY君のことを書きます。

最初に担当したのは、小学校3年生の頃でした

Y君を初めて担当したのは、小学校3年生の頃でした。
その頃は浜学園に通っていて、小6の夏休み前までは公開テストで偏差値60程度でした。
最難関中を目指せる位置にいて、十分に合格可能圏内にいる生徒でした。

小6の夏休み頃から、急に勉強しなくなりました

ところが、小6の夏休み頃から、Y君は急に勉強しなくなりました。
本人にも、はっきりした理由は分からないままでした。

それまでできていたことができなくなり、成績も落ちていきました。
その流れは受験当日まで止まらず、最終的には滑り止めとして受けた中学に進学することになりました。

中学に入ってしばらくは、勉強も人間関係も順調でした。
ただ、中2の途中から、これといったはっきりした理由がないまま、不登校ぎみになり始めました。

学校に行きづらくなる中で人間関係も少しずつ悪化し、中3になる頃には保健室通学が中心になっていました。
当然、成績も大きく落ちました。

中学受験以来、3年ぶりに英語と数学を担当することになりました

中学受験以来、およそ3年ぶりに、Y君の英語と数学を担当することになったのも、その頃です。

実際に指導してみると、やはり勉強はやればできる生徒でした。
指導を再開してから、成績もすぐに上がり始めました。

ただ、その時期は学校での人間関係の問題が大きく、保護者の方が忙しかったこともあり、授業では勉強だけでなく、進路や生活に関わる相談を受けることも少なくありませんでした。

今の学校を中退すべきかどうか。
母親と二人で引っ越し、家族と離れて別の学校で一からやり直すべきかどうか。
そうしたことも含めて、これからどう進むのがよいのか、今は何を優先するべきかを一緒に考える必要がありました。

その後、高校1年で中退し、通信制高校に転校しました。
結果として、この選択はY君にとって、精神面でも勉強面でもよい方向につながったと思います。

浪人生になってからは、数年ぶりに少しずつ人と関わるようになり、人間関係について相談を受けることも増えました。

すぐに何かが大きく変わったわけではありません。
ただ、長い時間をかけて少しずつ精神的な落ち着きを取り戻し、自分の力を出せる状態に近づいていきました。

最終的に、京都大学工学部に合格しました

そして最終的に、Y君は京都大学工学部に合格しました。

もちろん、合格したのは本人の努力があってこそです。
ただ、自分にとって印象に残っているのは、結果だけではありません。

小学生の頃から関わり、中学受験でつまずき、中学・高校でも苦しい時期が続き、それでも関係が切れず、必要な時にまた相談してもらえたこと。
勉強の話だけでなく、進路や人間関係も含めて長く伴走できたこと。
それが、自分にとっては強く印象に残っています。

生徒の状態は、成績だけでは分からないと思っています

今振り返っても、小6の夏休み頃からどうして急に勉強しなくなったのかは、本人にも分からないままでした。
自分がこれまで見てきた他の生徒にも、同じケースはありません。

だからこそ、生徒の状態は、成績だけでは分からないのだと思います。
「今は勉強したくない」「なぜか急に成績が落ちた」という時でも、単純に気持ちの問題や甘えとして片づけられないことがあります。

家庭教師として自分が大切にしているのは、目の前の成績だけを追うことではありません。
もちろん、勉強はきちんと見ますし、結果も大事です。

ただ、それだけではなく、生徒を一人の人間として尊重することを大切にしています。
成績だけを見て判断するのではなく、話をきちんと聞き、誠実に向き合うことを心掛けています。

長い時間をかけて変わっていく生徒もいます

生徒によっては、すぐに結果が出るわけではありません。
長い時間をかけて、少しずつ変わっていく場合もあります。

そして、そうした変化に立ち会えることは、この仕事の大きな意味の一つだと思っています。

指導の考え方や経歴については、プロフィールをご覧ください。

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