中学受験の過去問で合格最低点に届かないとき|何を優先して対策するか
中学受験で志望校の過去問を始めたものの、合格最低点に届かない、何年分か解いても思うように点数が伸びないということがあります。
ただ、9月・10月の段階で合格最低点に届いていなくても、その点数だけで志望校を判断することはできません。
この時期は、現在何点取れているかだけではなく、どの問題を落としているのか、入試までに改善できる失点がどれだけあるのかを見ることが重要です。
私は灘・東大卒、指導歴20年以上のプロ家庭教師として、中学受験算数を中心に、理科・国語も指導しています。
過去問で合格最低点に届かないときは、失点した問題を「落とせない問題」「合否を分ける問題」「難問」に分けて対策します。
さらに、時間配分や解く順番を確認し、算数だけではなく理科・国語も合わせて、残された時間でどこを伸ばせば合格に必要な合計点に近づけるのかを考えます。
過去問対策の目的は、すべての問題を解けるようにすることではありません。
志望校の入試で、合格に必要な点を取ることです。
9月・10月は、過去問の点数だけで合格可能性を判断しない
9月・10月に過去問で合格最低点に届かなくても、その点数だけで合格可能性を判断することはできません。
この時期は、志望校の出題傾向に合わせた学習や過去問対策もまだ途中です。
たとえば、合格最低点まで20点足りないとしても、
「典型問題を何問も落としている」
「合否を分ける分野の対策がまだ十分ではない」
「解けない難問に時間を使い、後半の取れる問題まで解けていない」
という場合では、必要な対策がそれぞれ異なります。
そのため、現在の点数だけを見るのではなく、
「どの問題を落としているのか」
「その失点は入試までに改善できるのか」
「どこを改善すれば合格点に近づけるのか」
を確認します。
合格最低点との差が同じでも、その中身によって評価は変わります。
過去問で失点した問題を3つに分けて対策する
合格最低点に届かないという同じ結果でも、どの種類の問題を落としているかによって対策は変わります。
過去問で間違えた問題は、すべて同じように解き直すのではなく、
- 落とせない問題
- 合否を分ける問題
- 合格するために解く必要のない難問
に分けて考えます。
落とせない問題は、典型問題や基礎知識まで戻る
まず、合格するために落とせない問題を確実に得点できるようにします。
算数であれば、塾教材で扱う典型問題。
理科であれば、基本的な知識問題や典型的な計算問題。
国語であれば、漢字・語句や、本文から根拠を確認しやすい問題などです。
どこまでが落とせない問題なのかは、志望校によって異なります。
ただ、このレベルの問題を落としているのであれば、難しい過去問を続けるより、必要な内容まで戻った方がよいことがあります。
たとえば、算数の速さの典型問題を落としているのであれば、塾教材の同じ分野まで戻る。
理科の知識が曖昧であれば、その分野の知識を覚え直す。
過去問を解き直すだけで終わらせず、同じ分野の典型問題まで戻り、条件や聞かれ方が変わっても解ける状態にして、入試では確実に得点できるようにします。
灘中のように問題全体の難度が非常に高い学校は別として、最難関校でも、落とせない問題の多くは塾教材で扱う典型問題を中心とした演習で対応できます。
合否を分ける問題は、志望校に合わせて分野別に対策する
合否を分ける問題については、志望校の出題傾向に合わせて分野別に対策します。
このレベルの問題は、学校によって異なります。
同じ算数でも、平面図形で差がつきやすい学校もあれば、速さ、場合の数、数の性質などで差がつきやすい学校もあります。
そのため、過去問の出題傾向を確認し、合否を分ける問題が多い分野については、年度ごとに過去問を解くだけではなく、同じ分野の問題をまとめて演習します。
過去問だけでは問題数が足りない場合には、塾教材や他校の過去問も使います。
過去問は、本番と同じ形式で解いて点数を確認するためだけのものではありません。
志望校でどのような問題を取れるようにする必要があるのかを確認し、そのために普段の学習内容を変えるためにも使います。
合格に必要のない難問には時間を使わない
合格するために解く必要のない難問まで、すべて解けるようにする必要はありません。
私自身、高校受験のとき、電気の難問が理解できず、希学園の講師に質問しても十分に理解できませんでした。
その類題が灘高校の入試で出題され、小問9問のうち解けたのは簡単な3問だけでした。
それでも、理科全体では合格者平均程度の得点を取ることができました。
振り返ると、その難問を最後まで解けるようにすることは、灘高校に合格するために必要ではありませんでした。
合格するために解く必要のない難問は、解けるように指導しません。
必要のない難問に時間を使うより、入試で実際に得点につながる問題に時間を使います。
解けない問題を放置するという意味ではありません。
その問題が合格するために必要なのかを判断し、限られた時間を使う問題を選びます。
年度別の過去問では、時間配分と解く順番も確認する
過去問で合格最低点に届かない原因は、学力不足だけとは限りません。
問題を解く力があっても、
- 一つの問題に長く時間をかける
- 解く順番が悪い
- 難問に時間を使いすぎる
- 後半の取れる問題まで時間が回らない
といった理由で、得点につながらないことがあります。
年度別の過去問では、点数だけではなく、
「どの問題から解くか」
「どこまで考えて解けなければ次へ進むか」
「どの問題を後回しにするか」
「どの問題には時間を使わないか」
まで確認します。
解けない問題に時間を使ったために、本来取れる問題まで解く時間がなくなっているのであれば、新しい問題をたくさん勉強する前に、問題の取捨選択や時間配分を変えることで得点が上がることがあります。
苦手をすべて克服せず、科目合計で合格点を目指す
苦手分野があっても、入試までにすべて克服する必要はありません。
中学入試は、一つの科目や分野の完成度ではなく、最終的な合計点で合否が決まります。
そのため、どこに時間を使うかは、
- 現在どの程度得点できているか
- 志望校でどの程度出題されるか
- 得点を伸ばすまでにどれだけ時間がかかるか
- 他の分野や科目でどれだけ点を伸ばせるか
まで含めて考えます。
私自身、灘高校を受験したとき、理科では天体が苦手でした。
ただ、天体が出題されても、基礎的な問題は得点できる状態でした。また、理科全体では合格に必要な点を取れる見込みがありました。
そのため、天体を得意分野に変えることには時間を使わず、英語の発音・アクセント・英作文や、理科の知識分野など、より短期間で得点につながるところを優先して対策しました。
苦手分野が残っていても、基礎的な問題を取ることができ、他の分野や科目を合わせて合格点を取れるのであれば、その苦手を得意分野まで引き上げることが最優先とは限りません。
大切なのは、苦手をなくすことではありません。
入試で合格に必要な合計点を取ることです。
指導では、過去問から合格点までの優先順位を提案します
指導では、過去問の得点、失点している問題、志望校の出題傾向、各科目の得点状況を確認し、入試までに何を優先し、何には時間を使わないかを提案します。
落とせない問題を落としている場合は、必要な典型問題や基礎知識まで戻ります。
合否を分ける問題で不足している分野があれば、志望校に合わせて、その生徒に必要な問題を選んで対策します。
一方、合格するために必要のない難問には時間を使いません。
また、算数だけで判断することもしません。
理科・国語も含めて、
「どの科目をあと何点伸ばせるか」
「どの分野なら入試までに得点につながりやすいか」
「どの問題は確実に取る必要があるか」
「どの苦手分野にはそれ以上時間を使わなくてもよいか」
を確認します。
特に、
- 過去問を何年分か解いても合格最低点に届かない
- 過去問を解き直しているのに点数が伸びない
- 苦手分野が多く、入試までに何から手をつければよいか分からない
- 難しい問題まで全部対策する時間がない
- 算数だけでなく、理科・国語も含めてどこで合計点を伸ばすべきか判断できない
という場合には、現在の学習状況と志望校の過去問を確認したうえで、何を優先し、どこまで取り組むかを提案します。
過去問対策の目的は、過去問のすべての問題を解けるようにすることではありません。
志望校の入試で、合格に必要な点を取ることです。
そのために、取る問題・重点的に対策する問題・時間を使わない問題を見極め、算数・理科・国語を合わせて合格最低点を上回るための学習を進めます。
私は灘・東大卒、指導歴20年以上のプロ家庭教師として、中学受験算数を中心に理科・国語も指導しています。大阪・兵庫を中心に、京都・奈良の一部で対面指導を行い、遠方の方にはオンラインでも対応しています。
過去問を分野別・年度別に使う指導全体については、「中学受験の過去問対策」をご覧ください。
算数の指導については、中学受験算数の指導方針をご覧ください。
過去問で合格最低点に届かず、入試までに何を優先し、何には時間を使わない方がよいのか判断に迷っている場合は、ご相談・無料体験授業からご相談ください。
相談のみでも構いません。体験授業の後に継続を決める必要もありません。